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神経性過食症

神経性過食症について

概念・定義

神経性過食症

神経性過食症(bulimia nervosa)は体重増加を防ぐための不適切な方法と結びついたむちゃ食いであると定義されます。神経症性無食欲症とは異なり、神経性過食症は標準体重であることが多いです。
過食の後の嘔吐や下剤乱用などの方法により、過食して摂取した食物を無理に体外に排出しようとする試みが認められます。比較的手のかからない神経症性無食欲症の患者に比べ、自傷行為、アルコール依存、物質乱用、性的逸脱行為、窃盗などの問題行動をしばし合併します。

疫学

若い女性の1~3%に認められます。青年期よりやや遅れて症状が出現する事が多いです。

病因

生物学的要因としてセロトニンとノルアドレナリンが関係すると言われています。社会的要因として現代社会は、痩せていることが性的魅力の必要条件である反面、飽食の時代であり食物からの誘惑があり、相反する欲望が同時に存在するために食べて吐くという矛盾する食行動をとるようになったものと思われます。

診断

持続的な摂食への没頭と食物への抗しがたい渇望が存在します。短時間に大量の食物を食べ尽くすというむちゃ食いエピソードを繰り返します。夜間に隠れて短時間の食物を大量に詰め込むという行動があります。
特徴としては、1)むちゃ食いが比較的頻繁に起こる、2)過食後に体重増加を防ぐために不適切な代償行為を行う(嘔吐、下剤乱用、利尿剤乱用、浣腸、食欲減退剤など)、3)過度のダイエットと過度な運動をする、4)自己卑下から罪責的となり抑うつ状態になる。体重が増加すると顕著になります。

経過と予後

神経症性無食欲症より完全寛解率は高いです。神経性過食症の死亡率は2%です。

治療

入院加療は神経症性無食欲症の患者に比べてあまり必要としません。認知行動療法や力動的精神療法を行うことで改善が見られることが多いです。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)は気分障害に関係なく、過食と排出を抑えることができます。