うつ病や適応障害などにより休職している方に対して、復職に向け支援を行う外来による治療プログラムです。復職のためにプログラムを「心身の回復」「バランス調整」「チャレンジ」という3段階に分けて、1つずつ取り組んでいきます。
心身の回復
回復するためには、まず十分な休息が取れる状況を作っていくことから始めます。この時に「しなければならない」「こうあるべき」という意識が強すぎると診察や薬物治療、カウンセリングなどの効果を感じにくくなってしまいます。
睡眠の質と量の改善や摂取すべき食事の栄養バランスや時間などを考えながら、自分の心身の回復のために一緒に取り組んでいきます。
バランス調整
次に“休息と活動”と“症状の予防”など自分自身のバランスを維持するための具体的な対処に取り組んでいきます。少しずつ休養が取れるようになった後には仕事以外の活動をして、症状の誘因となりやすいストレスの把握と対処について考えていきます。
自分で理解するだけでなく、なるべく周囲にも理解をしてもらえるように家族とのコミュニケーションの仕方や職場への報告への内容を整理するなど“身体と心”や“自分と相手”などのバランスの調整を行います。
チャレンジ
心身の回復とバランス調整を行った後には、日常生活における活動を行い、職場の上司、産業医や保健師さんとの面談も行っていきます。
その中で復職する上で気を付けていくべき点を整理して再チャレンジに向けた準備を行います。
3段階の過程を概ね3ヶ月程度を目安としながら復職を目指していきます。「自分のことは自分が一番分かっている」という思い込みがあるかもしれません。しかし、振り返ってみると自分の限度を無視したり、疲労感や違和感を後回しにしたり、負担が積み重なったこともあると思います。そんな自分の経験を振り返りながら、自分の“こころとからだ”を再活用することを目的としたのが「リワークデイケア」です。
精神症状の回復や精神科治療の難しさは、自分自身を否定(肯定)するだけでは改善することにはならないことです。勇気を持って自分自身の傾向や癖を振り返りながら、良い点は更に伸ばすことと、良くない点は自分で加減をしていけるように予防することを心掛けていくことが重要になります。変わらないといけないと思う方は自分自身を完全に一新しなければと思い込みがちです。しかし、今までの生活をしてきた自分のスキルや力はあるはずです。良い点と改善する点を偏らずに周りの客観的な意見にも耳を傾けながら自分が変化していくことに一緒に取り組んでいきましょう。